
2025年10月07日(火)
Mutton Khana
夜中にホテルの部屋の外にある共有スペースのバルコニーで宴会をしているグループがいて、楽しそうで何よりだし、とてもうるさかった。日本では昨日の夜がいわゆる中秋の名月だったようなので、もしかすると月見をしていた、わけがない。
とはいえ、いつの間にか眠っていたし、たっぷり寝た。
6時半過ぎに自然に目が覚めて、朝の支度を済ませる。
それから今日は何をして楽しもうかと考えつつ、スマートフォンでネットを見ていたら、エベレスト街道のNamcheとPhakdingの間のルートの階段が大雨による土砂崩れで流されているというSNS投稿を見つけた。まったく通れないわけではないらしいが迂回して進めるにしても大変だろう。自分たちは本当に運が良かったのかもしれない。自分さえよければいいのか…とも考えてしまう。
ここで落ち込んでも、誰も喜ばないだろうから、気を取り直して朝のコーヒーを飲みに行こう。コトリちゃんも賛成してくれた。
割といつも賑わっている HIMALAYAN ARABICA BEANS COFFEE という、家族経営らしきカフェの席が空いているのが見えたので寄ってみることに。

カフェラテとチーズケーキで朝のカフェタイムを過ごす。チーズケーキが甘さ控えめだったので、昨日のピザのことを思い出した。ネパールのお店は甘さ強めだと勝手に思い込んでいたが、ラッシー以外はそうでもないのかもしれない。もしくは、昨日感じたように、日本の飲食店がさりげなく甘さを強めているのかもしれない。

ともあれ、このカフェが人気なのは、味や居心地の良さもさることながら、それを作り出す店員さんたち(おそらくご家族)の感じが良いからだと思った。
何度も通って地図無しでも把握できている道を歩きながら、とあるお店の前で立ち止まる。
去年の春に訪れた時に、何度か寄って世間話まで交わした刺繍屋さんがアクセサリーショップに変わっていた。だけど、お店の前で掃除しているのは、去年帰国する前に挨拶しに寄ったら「またネパールに来たら寄ってよ」と言ってきた店主だ。その時に撮った写真を、もし再会できたら渡そうとプリントして持ってきたのもあって、勢いで声をかけた。
人違いではなかった。とりあえず、写真を渡して、再会の挨拶。店内に招かれ、同じ場所で仕事を変えた理由を少し教えてくれたりもしたが、朝の準備もあるだろうから、この滞在期間中に改めてゆっくり買い物に来ると伝え、いったん別れた。

嬉しがってくれているように見えたし、僕も嬉しい。じわじわと喜び湧きつづけ、まだ午前中ながら今日が良い日になることを確信できた。大袈裟に言えば、自分の人生を丸ごと良いものであるかのようにも思えた。ああ。
こんな良い日に、食べたかったダルバート屋さんに行ってしまおうだなんて、欲張ってもいいものだろうか?という疑問が僕の中から出てきたが、すぐに却下。
また訪れたいと思っていた Sundar Bhojanalaya に向かう。

東京の豪徳寺の人気ネパール料理店 OLD NEPAL の本田さんに教えてもらって、去年初めて寄って、非常に気に入ったローカル店だ。ローカル店ながら地球の歩き方にも掲載されたという話もあるが、真偽の程は知らない。


Thamel の中心街から外れた徒歩10分程度の場所にある。正確な道順が記憶にきちんと刻まれていて迷うことなくたどり着いた。
観光客らしき人は去年も見なかったし、今日も見当たらない。店内にはメニューや値段の表示も見当たらない。そういうアウェイ感のようなものはあれど、それさえ乗り越えたら、とんでもなくおいしいダルバートが待っている。
去年はお店の仕組みがわからなくて常連客の優しさに助けられたが、今回は勝手がわかっている。しかも、最低限のネパール語を覚えてきた。
席に座り、目が合った店員さんの一人に片言のネパール語でオーダーをする。「あら、わかってんじゃない」といった好ましい反応をしてくれた、ように見えたのは僕が望む世界を反映しすぎかもしれない。

程なくしてお目当てのダルバートが目の前に。あいかわらず最初から大盛り。


お客さんのほとんどが手食をしているが、僕のような言わば部外者が真似をするのは、敬意に欠くような気がして、スプーンで食べることにする。そして「スプーンをください」というネパール語も覚えてきた。が、言う前にスプーンを持ってきてくれた。ダンニャバード!




思い出補正でおいしさのハードルを上げてしまっているかもしれない、という謎の心配を置き去りに、やっぱりとんでもなくおいしい。
食べ進める僕の表情はきっとニタニタしている。
こんなにも食べやすくて、しっくりくる料理が、日本じゃなくてネパールにあるなんて、運命は意地悪だねえ。頻繁に食べたくても遠いよお。と脳内で誰かが会話している。


なんかもう、今回のネパール旅行では、色々な願いが次々に叶いすぎて、嬉しくもあるが、もはや薄気味悪い。


夕方には今日もラッシーを飲みに行った。


夜に食べに行ったカツ丼もおいしかった。


最高。どうしよう。